毛虫に刺されたら
【2018年7月28日】
患者さんたちは皆、「眠れないくらい痒い」「猛烈に痒い」「痒みだけでなく痛みもある」と訴えます。
そして皆さん、口をそろえて「毛虫なんて触るどころか見たこともないのに」と訴えます。
チャドクガは、幼虫と成虫の両方とも、毒の毛(毒針毛)を持っています。この毛はとても抜けやすく、細くて軽いので、風に乗って飛ばされることがあります。そのため直接触れなくても、木の下や風下にいただけで毛に刺されることがあるのです。小学校で、プールのフェンスにタオルを置いてたら、そのタオルに飛んできたチャドクガの毛がくっつき、タオルを使った児童が集団で皮膚炎を起こしたという過去の事例もあるくらい、広範囲で被害が出やすいとされています。都会でも街路樹があるため、毛虫のいる場所を避けることは難しいと思います。刺されるのは首と腕が多いそうなので、
(1)毛虫のいそうな木の近くを避ける
(2)アームカバーやネックカバーをする
――とよいそうです。最近アームカバーなどは通気性がよいものも増えていますし、紫外線対策にもなるので一石二鳥かも!?
ドクガ類のチャドクガは北海道以外の地域に生息し、幼虫はツバキやサザンカなどを食べる。北海道にはチャドクガではなく、ドクガが生息して、同様の毛虫皮膚炎を生じる。1匹のチャドクガの幼虫には、長さ0.1mm程度の毒針毛が数十万本付いている。
チャドクガ皮膚炎では、毛虫接触時には痛みも痒みも生じず、1~2日遅れて丘疹が生じることが多い。そのため、原因不明の皮膚炎として来院する患者が多いのが現状だ。