肉やパン、乳製品など…欧米型食事でも死亡リスク1割減
【読売新聞 2017年5月26日】
野菜や果物、大豆製品など健康に良い食品を多くとる人は、少ない人に比べて死亡するリスクが2割低くなるとする調査結果を、国立がん研究センターなどの研究チームが発表した。
チームは、食事の内容を〈1〉野菜や果物、大豆製品、キノコ、サンマやサバなどの脂の多い魚などを多く食べる「健康型」〈2〉肉やパン、乳製品などを多くとる「欧米型」〈3〉ご飯、みそ汁、魚、漬けもの中心の「伝統型」の3パターンに分類。岩手、茨城、大阪など9府県の男女約8万人に、摂取する食品の頻度や量を記入してもらったデータを使い、参加者の食事をタイプごとに点数化した。約15年間にわたって健康状態や死因などを追跡した。
その結果、「健康型」の点数が高い人は、低い人に比べ、死亡リスクが2割低かった。病気別では、循環器疾患による死亡リスクは3割、脳血管疾患では4割も低下した。
また、「欧米型」の点数の高い人も、低い人に比べて死亡リスクは1割低かった。適度な量の肉類や乳製品、コーヒーなどの摂取が影響したとみられる。「伝統型」は、点数と死亡リスクに関係が見られなかった。
研究を主導した溝上哲也・国立国際医療研究センター疫学・予防研究部長は「野菜や果物を十分取れる和食に、肉や乳製品を適度に加えることが長寿の秘訣。日本人の寿命が延びたのも、こうした食事のお陰」と話している。