心血管的なアルコール最適量は1日2杯まで
【オンタリオ州、トロントおよび英国、ロンドン 2017年3月14日】
「大量飲酒者にとって、アルコール摂取量を1日2杯以下にすることが高血圧治療の第1選択となりうる」
アルコール摂取と、頸動脈-大腿動脈間脈波伝播速度(PWV)で測定される血管硬化度の変化との関連を、25年以上の長期的観点からみた研究では
PWVは、心血管疾患および心血管死の信頼できる予後予測マーカーであることが明らかになっており、PWV値が高いほど血管硬化度が大きいことを示している。
常習的大量飲酒の男性群(エタノール摂取が週に3.9オンス超、または週に約14杯以上)は、適度飲酒の群(エタノール摂取が週に3.9オンス以下)と比べ、ベースラインのPWV値がより高かったことが英国の研究者らにより明らかになった。
常習的大量飲酒の女性群においても、同様の影響が認められたが、臨床的共変量を含む全調整後は有意ではなくなった。
「過去のコレステロールに関するデータから、HDLコレステロール値の改善が目標ならば、1日2杯のアルコール摂取が常に適正量であるようだ、もし1日2杯を超えると事態が悪い方向へと向かい始めるということである」
「1日2杯のワインやビールやカクテルをただ純粋に楽しむ人々であり、彼らが自身に対して何も有害なことをしていないという十分なエビデンスを得ることができた」。
英国民のうちアルコール摂取が1日2杯超である者の半数がアルコール摂取量を減らすと、収縮期血圧が140mmHg超である率が男性で4.4%、女性で1.2%低下し、その影響の大部分は中年期に現れる。この血圧低下は、年間7,272件の入院および678件の心血管死の予防になる。