曇りや雨続くと増加 鉄道自殺、予防に活用も
【2013年9月26日】
日照時間が少ない曇りや雨の日が連続した後に鉄道自殺や未遂が増加する傾向があることを、京都大と滋賀医大のチームが明らかにし、25日発表した。
チームは、自殺が増える日を予測して踏切や駅をパトロールしたり、光を浴びると症状が改善するうつ病治療用の高照度白色光などをホームや車両につけたりすることで、自殺予防に役立つ可能性があるとしている。
鉄道自殺が最も多い東京、神奈川、大阪の3都府県で、2002年からの5年間に、自殺や自殺未遂が理由で鉄道の運休や30分以上の遅れが発生した日の直前の日照時間を調べた。
すると、曇りや雨の日が3日間連続した直後の日は、途中で晴れの日が1日以上あった場合に比べ、自殺や自殺未遂による運休や遅れが増える傾向があった。曇りや雨の日が7日間続いた直後の日で調べると、その傾向が強まった。当日の天気との関連は見られなかった。
滋賀医大の角谷寛(かどたに・ひろし)特任教授は「当日の天気よりも、直前の数日間太陽光を浴びないことの方が、感情の落ち込みやうつ症状に影響を与えているのではないか」と話す。成果は海外の専門誌に発表した。