厚労省、ウイルス分類の国際委員会の決定受け
中東諸国で広がる新種コロナウイルスをMERS(マーズ)と命名
【日経メディカル 2013年5月28日】
厚生労働省は5月24日、アラビア半島諸国を中心に患者が発生している新種のコロナウイルス(NCoV)による感染症について、病原体名を「MERS-CoV(マーズコロナウイルス)」、感染症名を「中東呼吸器症候群(MERS)」と呼ぶと発表した。
最近、ウイルス分類に関する国際委員会(ICTV)のコロナウイルス研究グループが、病原体名を「Middle East respiratory syndrome coronavirus(MERS-CoV)」と命名したため。既にWHOも、同名称を使用している。
WHOへ確定患者が報告されているのは、ヨルダン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦。さらに、フランス、ドイツ、チュニジア、英国からも患者の報告がある。中には、治療目的で中東から搬送された患者や、中東から帰国した後に発症した患者も含まれるという。2012年9月以降、WHOに報告されたMERS-CoVの確定患者は44人に上り、うち22人が死亡している。