新型インフル、予防投与で99%感染せず
【2010年4月6日】
新型インフルエンザ感染者の家族のうち、前もって治療薬を服用した人の99%が感染しなかったことが、国立感染症研究所の調査で分かった。
患者に頻繁に触れる人が感染前から治療薬を服用する「予防投与」が奏功した形で、京都市内で開かれた日本感染症学会で6日、発表した。
調査は、昨年5月の流行初期に大阪府内で感染した患者158人の家族を対象に実施。予防投与した334人のうち、感染者は2人(0・6%)にとどまり、332人は感染しなかった。一方、服用しなかった48人のうち、4分の1を超す14人(29・2%)が感染した。
しかし、予防投与後に感染した2人のうち1人からは、耐性ウイルスが見つかった。安井良則・感染研主任研究官は、「予防投与は効果が高い一方、耐性ウイルスが発生する。どのような場合に予防投与をすべきか、国が基準を作るべきだ」と話している。