タカラバイオ、ガゴメ昆布由来フコイダン、インフル増殖を強力抑制
【2009年12月22日】
タカラバイオは、富山大学大学院医学薬学研究部の林利光教授との共同研究で、ガゴメ昆布の多糖類成分フコイダンに強力なインフルエンザウイルスの増殖抑制作用のあることを突き止めた。感染させた細胞を用いる試験管レベルの実験だが、ほかの海藻由来のフコイダンに比べ、10倍以上の増殖抑制機能を示した。詳細は、2010年3月に岡山で開催される日本薬学会で発表する。
ガゴメ昆布は、北海道の道南地域で採取される。同社はこれを原料にしたサプリメントを製品化している。
実験では新型インフルエンザウイルスと同じA型の仲間に入る、ヒト型インフルエンザウイルスH1N1亜型と、弱毒性鳥インフルエンザウイルスH5N3亜型をサンプルに使用。それぞれのウイルスを細胞に感染させて、24時間培養、ウイルス量を測定した。? 同フコイダンを添加すると、無添加に比べてH1N1亜型への抑制作用はガゴメ以外の海藻に含まれるフコイダンの10倍を超えていた。
その抑制作用は、抗インフルエンザ治療薬「タミフル」(成分名オセルタミビル)の約3分の1程度であることが確認できた。作用機序は抗インフル薬「タミフル」と異なり、細胞内にウイルスが侵入する段階でブロックするという。