英語力つくと「省エネ脳」 学習期間で活動に差
【2008年11月6日】
小学1年から英語を学んだ中高生は、中学から学び始めた生徒より、脳が働かなくても英語を理解できるとの研究結果を酒井邦嘉(さかい・くによし)東京大准教授(言語脳科学)らがまとめ、5日付の米科学誌に発表した。
酒井准教授は「英語力がつくほど、考えなくても答えが出る『省エネ脳』になることを示している。6年以上、英語に接する重要性を示唆するものだ」と話している。
小学1年から毎日英語の授業を受けた中高生12人と、中学から勉強を始めた18人を対象に、脳血流の変化を測る機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)を使い、英語の文法問題を解いている最中の脳の活動を調べた。
両グループの成績の平均値に大差はなかったが、中学からのグループでは、成績の良い生徒ほど文法をつかさどる左脳の中枢の活動が活発化。逆に小学校からのグループは成績の良い生徒ほど活動が盛んでなかった。
英語習得の初期にはこの文法中枢の活動が高まり、英語力が定着するほど文法中枢を使わなくても英語を処理できるようになってくるためだとみられる。