果物で脳卒中かかりにくく 喫煙者は効果鈍る
【2007年10月24日】
果物を毎日たっぷり食べる人は、脳卒中や心筋梗塞(こうそく)といった循環器の病気にかかりにくいとの疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が24日発表した。
1日に420グラム(中ぐらいのミカン4個)ほど食べる人は、35グラム(ミカン3分の1)ほどの人に比べ、発病の危険度が19%減っていた。たばこを吸わない人に限ると24%減だったが、喫煙者では減少幅は18%と果物の予防効果がやや鈍ることが分かった。
調査は岩手、新潟、沖縄など全国8県で、45-74歳の男女約7万8000人を4-7年追跡。期間中、3230人が何らかのがんと診断され、1386人が循環器の病気を発症した。
果物摂取とがん、野菜摂取と循環器病やがんの関係も調べたが、危険度は変わらなかった。研究班の坪野吉孝東北大教授(疫学)は「これまでの研究で、胃がんや食道がんについては予防効果があることが分かっており、野菜や果物を積極的に食べるべきだ」と話している。