コーヒー党、大腸がん少ない 1日3杯以上飲む女性
【2007年8月1日】
コーヒーを1日3杯以上飲む女性は、大腸の主要部分である結腸のがんになるリスクが、全く飲まない女性の約半分-という疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎(つがね・しょういちろう)国立がんセンター予防研究部長)
発見時に粘膜を越えて広がっていた「浸潤がん」に限るとリスクは60%も少なく、居住地や運動、他の食習慣などによる影響を除いても同様の傾向が出た。ただし男性にはこのような関連はみられなかった。
研究班の井上真奈美(いのうえ・まなみ)国立がんセンター室長は「男性は喫煙者の数や飲酒の量が多く、がん予防効果が見えにくいのではないか」としている。
研究班は全国9府県で40-69歳の男女約9万6000人を1990年から最長で12年間追跡。この間に1163人が大腸がんになった。コーヒー摂取との関連を調べると、1日に飲む量が多い女性ほど、結腸にがんができるリスクが小さい傾向があると分かった。一方、大腸の末端部分に当たる直腸にできるがんとの関連はなかった。
詳しいメカニズムは不明だが、研究班によると、コーヒーには、腸の運動を活発にしたり、発がんの引き金になるとされる腸内の胆汁酸や中性コレステロールを抑えたりする成分が含まれており、これが関係しているとみられるという。