緑茶よく飲む人ほど、摂取カロリー過多!?
【2007年6月15日】
なくそう・減らそう糖尿病:緑茶よく飲む人ほど、摂取カロリー過多!? ◇菓子食べる割合高く----山形大調査 緑茶を1日に4杯以上飲む人は、ほとんど飲まない人より、摂取エネルギーが1日あたり約200キロカロリーも多いことが、山形大の研究チームの調査で明らかになった。緑茶を多く飲む人は、菓子を食べる回数も多く、研究チームは「緑茶を多く飲む人は一緒に菓子を口にする傾向があり、カロリー過多になりがちであることが明らかになった。食事だけではなく、菓子など間食にも気を配ってほしい」と話している。 調査は04-05年、山形県高畠町に住む40歳以上の男性875人、女性112
9人を対象に実施。食事内容や日常の活動量など生活習慣について聞いた。 その結果、緑茶を1日4杯以上飲む人の1日あたりの摂取エネルギーは2356キロカロリーだったが、1日1杯以下の人は2153キロカロリーだった。4杯以上飲む人の平均年齢は約64歳。05年の国民健康栄養調査によると、40-74歳の人の1日あたりの平均摂取エネルギーは男性2176キロカロリー、女性1765キロカロリーで、4杯以上の人たちの摂取カロリーは平均値を大幅に上回っていた。
菓子を食べる習慣を聞いたところ、毎日1回以上食べる人の割合は、4杯以上の人たちの28・9%で、1杯以下の人たち(13・6%)の2倍以上だった。2回以上食べる人の割合は、4杯以上の人が11・5%、1杯以下の人が3・6%と3倍以上の高さだった。一方、運動などで消費しているエネルギーは、緑茶を飲む回数によって違いはなかった。 研究チームの大門真・山形大准教授(糖尿病・代謝内分泌内科)は「緑茶に含まれる成分は体に良いと考えられているが、緑茶をたくさん飲んでも、一緒に菓子を食べるような生活習慣は、糖尿病など生活習慣病の引き金になる可能性があるので注意が必要だ」と話している。
◇善玉コレステロール増加へ、「週2時間以上」運動を----お茶の水女子大分析
「善玉」のHDLコレステロールを増加させるためには、週に計2時間以上運動するか、900キロカロリー以上消費する運動が必要であることが、児玉暁・お茶の水女子大研究員らの研究チームの分析で分かった。米国医学会誌「アーカイブス・オブ・インターナルメディシン」に掲載された。 HDLコレステロールは動脈硬化の予防につながる善玉コレステロールで、1デシリットル当たり40ミリグラム未満の「低HDLコレステロール血症」になると、心血管疾患の危険性が高まるとされる。運動がHDLコレステロールを増加させることは知られていたが、研究によるばらつきが大きく、どのくらいの運動が必要かは明らかではなかった。
研究チームは、1966-05年に発表されたHDLコレステロールと運動の関係についての論文のうち、一定基準を満たした日米英など5カ国の計25本を分析した。対象者は23-75歳の計1404人で、ウオーキングやサイクリングなどの有酸素運動を平均で週3・7回実施。1回当たりの運動時間は平均40・5分で、運動による1週間の推定消費エネルギーは平均1019キロカロリーだった。HDLコレステロールは運動前に比べて平均2・53ミリグラム上昇した。
解析の結果、HDLコレステロールが運動前に比べて明らかに上昇したのは、週に計2時間以上運動するか、週900キロカロリー以上消費する運動をした場合だった。1回の運動時間が長いほどHDLコレステロールの上昇幅は大きかったが、運動の頻度や強さはほとんど関係なかった。 研究チームの曽根博仁・お茶の水女子大准教授は「健康づくりのためには、こまめに体を動かすなど頻度を強調する傾向にあるが、HDLコレステロールへの効果だけを考えれば、1回最低30-40分、週3-4回を目安にある程度まとめて運動をする方がよさそうだ」と話している。