若い女性の3分の1感染 米、がん恐れのHPV
【2007年3月1日】
記事:共同通信社 ・提供:共同通信社
【ワシントン28日共同】28日付の米紙ワシントン・ポストは、米国で14-24歳の女性の約3分の1に当たる約750万人が、性交渉を通じて広がるヒトパピローマウイルス(HPV)に感染していると推計する調査結果を米政府がまとめたと報じた。
同ウイルスのうちHPV16、18型は約70%の子宮頸(けい)がんの原因とされる。60歳未満の女性全体でも約4分の1が感染、調査した専門家は従来考えられていたより割合が高く、米国で最も広がった性感染症としている。
子宮頸がんをめぐっては、米医薬品大手メルクが予防ワクチンを開発。テキサス州知事が、州内の11-12歳の女子に予防接種を義務付け、是非をめぐり論争も起きた。調査結果はその行方にも影響を与えそうだ。
ポスト紙によると、調査は2003-04年に14-59歳の女性約2000人を対象に実施。全体では27%、14-24歳では34%が感染。最も割合が高かったのは20-24歳の45%だった。
その一方で、子宮頸がんの主な原因とされるHPV16、18型の感染者は2・2%にとどまった。
ワクチンの予防接種の是非に関しては、子宮頸がんを減らせるとの期待がある一方、未成年の性行為を助長するとの反発が出ている。子宮頸がんにより世界で毎年約23万人が死亡。米国では昨年約3700人が死亡しているという。