早い初潮/出産経験なし/高身長…乳がん高率に 日本人で初の裏付け
【2007年2月22日】
乳がん:早い初潮/出産経験なし/高身長…高率に 日本人で初の裏付け----厚労省調査
初潮が早い、出産経験がない、背が高い、などが乳がんにかかりやすい要因との結果が、厚生労働省研究班(担当=岩崎基・国立がんセンター予防研究部ゲノム予防室長)が日本女性を対象に実施した疫学調査で出た。同様の結果は海外ではあったが、日本人での裏付けは初めて。
◇女性ホルモンの状態変化
研究班は、90年と93年に全国の40-69歳の女性約5万6000人にアンケートし、身長や体重、初潮の時期、出産回数などを聞いた。02年まで追跡調査すると、441人が乳がんにかかった。
分析の結果、閉経前の女性の場合、初潮が14歳未満だと、16歳以降だった人に比べ乳がんになる率が約4倍になった。閉経後の女性では、乳がんになる率は初潮と関連がみられなかった。
また、出産経験がない女性が乳がんになる率は、経験がある女性の1・9倍に達した。出産回数が増えるほどがんになる率が下がり、5回以上出産した人は、1回の人の4割弱だった。
また身長160センチ以上の女性は、148センチ未満に比べ閉経前で約1・5倍、閉経後で約2・4倍、乳がんにかかる率が高かった。
研究班によると、初潮や出産が乳がんに影響するのは、体内の女性ホルモンの状態が変化するのが理由とみられる。