指先の血液で歯周病判定 簡単に検査、予防に有望か
【2006年6月28日】
指先から採ったわずかな血液で歯周病菌に感染しているかどうかを判定することを高柴正悟(たかしば・しょうご)岡山大教授(歯周病態学)らが計画、同大学医歯薬学総合研究科倫理委員会で27日、承認された。
簡単な検査で、予防や再発防止に役立つのではないかという。
研究グループの西村英紀(にしむら・ふさのり)助教授によると、感染した歯周病菌に応じて血液中に増える抗体があり、代表的な4種類の歯周病菌に対する抗体の量を調べ、感染の有無を判定する。指先を針で刺して出る一滴の血液で検査でき、歯周病の症状が出る前でも感染が把握できる可能性が高い。
数十人で試験的に検査し、正しく判定できたという。実用化に向けて全国10大学と共同で研究、約1000人で検査する。
歯周病は通常、症状が出てから気付くことが多い。静脈から採取した血液で判定する方法はあるが、一部の大学病院などだけが行っていた。
西村助教授は「簡単に判定できるので、開業医にも普及できると思う。4、5年以内に実用化したい」と話している。