コーヒー功罪、遺伝子で差 心筋梗塞の危険高める?
【2006年4月10日】
遺伝子のわずかな違いによって体内でのカフェイン分解が遅い人は、1日2杯(1杯250cc)以上のコーヒーを飲むと心筋梗塞(こうそく)の危険が高まる恐れがあるとする論文をカナダ・トロント大などの研究チームが8日付米医師会雑誌に発表した。
分解が速いタイプの人は逆に1日1-3杯飲む方が1杯未満の人に比べ、心筋梗塞の危険が少なかった。研究チームは「将来は遺伝子タイプ別の食事指導が必要になりそうだ」としている。
調査対象は中米コスタリカで1994-2004年に急性心筋梗塞を起こした患者約2000人(平均年齢58歳)と、健康な約2000人。
カフェイン分解にかかわる肝臓の酵素CYP1A2の遺伝子を調べると、患者グループでも健康な人のグループも半数強が分解が遅いタイプだった。
分解が遅い人では、コーヒーを1日2-3杯飲む人の心筋梗塞の危険度は1杯未満の人に比べ36%、4杯以上だと64%、それぞれ高かった。50歳未満の人に限って分析すると、4杯以上飲む人は危険度が約4倍も高まった。