心臓の血管疾患を33%抑制 高脂血症薬プラバスタチン
【2005年11月18日】
高脂血症治療薬プラバスタチン(商品名メバロチン)で心筋梗塞(こうそく)などの冠動脈疾患の発症率が33%抑制されたとする国内初の大規模臨床試験の結果を、中村治雄(なかむら・はるお)防衛医大名誉教授らがまとめ、米テキサス州ダラスで16日(日本時間17日)開かれた米心臓協会の年次学術集会で発表した。
欧米では既に同様の結果が出ており、日本人でも裏付けられた形。
試験は、冠動脈疾患がなく総コレステロール値が血清100ミリリットル当たり220-270ミリグラムの患者約8000人(平均年齢約58歳)を、食事療法だけのグループと、食事療法とプラバスタチンを併用するグループに分け、平均5年以上観察した。
食事療法単独群に比べ、併用群では冠動脈疾患の発症率は33%少なく、脳梗塞を加えた動脈硬化性疾患では30%抑えられた。
高脂血症患者では血管にコレステロールが沈着して動脈硬化が進むとされる。総コレステロール値が同220以上の患者は、30代以上の男性の約26%、女性の約35%。
プラバスタチンは三共が1989年から販売している処方薬。