犬の癒やし効果、人より上 心臓病患者の不安など改善
【2005年11月16日】
犬との短時間の触れ合いは、心臓病患者の不安軽減や血圧などの改善に人と接するより大きな効果をもたらすと、米カリフォルニア大ロサンゼルス校のチームが15日、テキサス州で開催中の米心臓病協会の会合で発表した。犬の「癒やし効果」を具体的な数値で示した研究は珍しい。
チームは心不全で入院中の患者76人(平均57歳)を3班に分け、12分間にわたり(1)ボランティアが連れてきた犬と触れ合う(2)ボランティアだけの訪問を受ける(3)ベッドで安静にする-を実行してもらった。
その結果、犬と触れ合った患者では、不安の強さが訪問前より平均24%低下した。人の訪問では10%しか低下せず、安静に寝ていた患者には変化はみられなかった。ストレスホルモンである「エピネフリン」の量も、犬と接した患者は17%も低下し、人の2%を大きく上回った。心臓や肺の血圧にも、犬のグループだけに改善がみられた。
チームは「犬は人をより幸福に、落ち着いた気分にさせる」としている。