男女とも高いやせの死亡率 中高年、標準体格の倍以上!
【2005年5月31日】
記事:共同通信社【2005年5月31日】
日本人の中高年では、男女ともにやせた人の方が肥満や標準体格の人より死亡率が高いとする結果を、鈴木庄亮(すずき・しょうすけ)群馬産業保健推進センター所長や群馬大学医学部のグループが約1万1000人を対象にした調査でまとめ、31日発行の日本疫学会誌に発表した。
男性については同様の結果を厚生労働省研究班が2002年に発表しているが、今回は女性でも同じ傾向がみられた。若い女性でやせた人が増えていることから、鈴木所長は「栄養が足りなければ感染症に対する抵抗力が減る。将来に備えてバランスの良い食事を心がけ、やせ過ぎに注意してほしい」と話している。
1993年に群馬県内の40-60代の男女に身長、体重、生活習慣などを尋ね、以後7年間追跡して死亡率を調べた。
体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った体格指数(BMI)が標準的(22-24・9)な人に比べ、やせとされる18・5未満の人は、死亡率が男性で2.59倍、女性では2.93倍高かった。
BMI28以上の肥満の男性は1.63倍、女性は2.71倍で、男女ともにやせの死亡率の方が肥満を上回った。
がんや循環器疾患などの死因別に見た場合や喫煙者を除いた場合でも、同様の傾向を示した。
02年の厚労省国民栄養調査によると、20-30代の女性でBMIが18・5未満の人の割合は、この20年で約2倍になっている。