強いストレスで老化早まる 米大学が人の細胞で発表
【2004年12月1日】
強い心理的なストレスは細胞の老化を早める可能性が高いと、米カリフォルニア大サンフランシスコ校などのチームが30日までに発表した。研究論文が近く、米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。
ストレスがさまざまな病気の引き金になることは指摘されていたが、具体的なメカニズムは不明で、同チームは細胞の老化が病気を引き起こす一因とみている。
チームは、病気の子供を介護している母親39人と、健康な子供を持つ母親19人について、免疫にかかわる白血球細胞の核の中にある「テロメア」という部分の長さを調べた。テロメアは細胞が分裂して年を経る度に短くなるため、細胞の老化の一つの目安になる。
介護している母親では、介護期間が長くなるほどテロメアが短かった。また母親全体の中で、調査に対し特に強いストレスを感じていると答えたグループ(14人)は、特に小さいグループ(14人)と比べ、年数に換算して9-17年分もテロメアが短いという結果だった。