やせた男性飲酒で危険上昇 2型糖尿病で研究班調査
【2004年11月26日】
食生活などがかかわる2型糖尿病に、肥満男性に比べてなりにくいとされるやせた男性でも、飲酒量が増えるにつれて発症の危険性は高まることが、厚生労働省研究班(班長・津金昌一郎(つがね・しょういちろう)国立がんセンター予防研究部長)の大規模疫学調査で分かった。英国の糖尿病専門誌に25日までに発表した。
研究班の野田光彦(のだ・みつひこ)・虎の門病院内分泌代謝科部長は「やせた人には、血糖値を抑えるインスリンの分泌能力が弱い人が多い。長期の飲酒も分泌能力を下げると報告されており、両者の複合要因ではないか」と分析。「ほかの病気への影響も考慮し、日本酒に換算し1日1合程度を超える飲酒習慣には注意を」とアドバイスしている。
研究班は、4、50代の男女約3万人を1990年から10年間追跡。体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った体格指数(BMI)と糖尿病発症との関係を調べた。
BMIが22以下とやせ形の男性で、1日のエチルアルコール摂取量が23-46グラム(日本酒換算で1-2合)の人は、飲まない人に比べ2型糖尿病発症の危険性が1.9倍に高まった。46グラム以上(日本酒で2合以上)の人では2.9倍と、さらに高くなった。
BMIが22を超える男性では、酒量が増えても危険性に変化はなかった。女性でも飲酒との関係はみられなかったが、飲酒習慣のある人が少なく、データが不足しているという。